故障したテレビは火災保険が適用される?申請方法も解説

最近のテレビは軽くて薄いものが多く、持ち運びや模様替えが簡単になりました。
模様替えの最中にテレビを落として画面が割れてしまった場合など、テレビの修理代は火災保険の対象になるのでしょうか。
この記事では、故障したテレビが火災保険の対象になるか、火災保険を適用する際の注意点、申請する方法などを紹介します。

目次

【結論】故障したテレビは火災保険が適用される!

テレビは、火災保険において「家財」とみなされます。

火災保険の対象には「建物」と「家財」がありますが、「家財」は家具や家電などの生活用動産のことをいいます。

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そのため、家財に火災保険をかけている場合、テレビは補償の対象となります。
しかし、場合によっては保険金が支払われないケースがあるため、注意が必要です。

テレビが故障して火災保険が適用されるケース

テレビが「家財」の対象になることはわかりましたが、どのような場合に火災保険が適用されるのでしょうか。

ここからは、テレビが故障して保険金が支払われる主なケースを紹介します。

1.子供が壊してしまった

小さなこどもがいる家庭では、こどもの予測不能な行動によって家財が壊れてしまうことがよくあります。
こどもの仕業だから仕方ないと言って、修理費を自腹で払っていませんか?

実は、火災保険で修理費を補償してもらうことができるのです。

ただし、契約している火災保険の補償内容に「破損・汚損(不測かつ突発的な事故)」を付帯していることが条件です。
破損・汚損の補償を付帯した契約であれば、こどもによる偶然な事故とみなされて保険金支払いの対象となります。

しかし、以下の2点に注意してください。

・機能に支障をきたさないすり傷など、外観上の軽微な損害は補償されないことがあります。
・あくまで「不測」かつ「突発的」な事故が条件です。常習的犯行や予測可能な事故は対象外となることがあります。

参考:損保ジャパン

2.移動させようとして落としてしまった

部屋の模様替えをするときや壁掛けをしようとしたときなど、テレビを移動させるタイミングで落としてしまうケースもよくあります。
最近のテレビは画面が薄く、落とすとバリバリに割れてしまうことが多いです。
液晶の損害は、テレビにとっては致命傷ですよね。

この場合も、「破損・汚損(不測かつ突発的な事故)」によって補償を受けることができます。

不意な事故によってテレビが故障してしまった場合は、すぐに保険会社に相談しましょう。

3.天災(地震・落雷など)による故障

天災によって故障してしまった場合は、その原因によって補償が変わります。

例えば、地震の揺れによってテレビが落ちて壊れてしまった場合は、家財の「地震保険」で対応します。
そのため、地震保険は建物だけでなく家財にも付帯することをおすすめします。

ただし、損害の程度によっては「一部損」に達せず、支払対象とならない可能性もあります。

落雷によってテレビが故障した場合は、「落雷」の補償で対応します。
アンテナに落雷し、過電流によってテレビが壊れた場合は、落雷の補償が付帯されているか確認しましょう。

台風で飛んできたものが窓ガラスを割ってテレビを破損してしまった場合は、「風災」で補償されます。

このように、テレビが故障した原因によって、対象となる補償内容が変わります。
まずはご自身の補償内容をしっかりと確認しておきましょう。

参考:損保ジャパン 地震保険

テレビが故障しても火災保険が適用されないケース

テレビが故障しても、保険金の支払対象とならないケースがあります。
ここからは、火災保険が適用されない主な場合を紹介します。

1.経年劣化

年数が経って自然に故障したなど、経年劣化による損害は保険金が支払われません。

家電には寿命の目安があり、買い替えのタイミングがあります。
経年劣化による故障は、「偶然な事故」とはみなされないため支払対象外となります。

参考:損保ジャパン

2.わざと壊した形跡がある

故障の原因が故意によるものと判明した場合も、保険金を支払ってもらうことができなくなります。
また、重大な過失がある場合も支払対象外です。

あくまで保険は、偶然な事故で困っている方を救済するためにあるものです。

保険金を受取るために虚偽の申告をすることは詐欺罪にあたります。

保険会社へ保険金請求するときは、必ず真実を伝えましょう。

参考:重要事項等説明書

3.破損から3年以上経過している

保険金の請求には、3年という時効があります。
3年以上前の事故は調査や判断が困難となり、保険金の支払いが難しくなってしまいます。

3年を経過すると、保険会社には保険金を支払う義務がなくなりますので、事故が起きた場合は速やかに請求をしてください。

請求期限については、以下の記事で詳しく紹介しています。

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参考:日本損害保険協会

4.自宅以外で破損した

テレビを自宅の外に持ち出しているときに壊してしまった場合は、補償対象外です。

しかし、「自宅外家財特約」を付帯している場合は補償される可能性があるため、保険会社へ確認してください。
また、保険会社によっては持ち出した家財も補償対象になる商品があるため、一度保険会社へ相談してみましょう。

参考:損保ジャパン 自宅外家財特約

故障したテレビの修理に火災保険を適用する際の注意点

火災保険を使ってテレビの修理代を支払う場合、注意するべきことが3つあります。

注意点1:補償対象に『家財』を含んでいるか確認する

1番はじめに、補償対象に「家財」が含まれているかチェックしましょう。
テレビは「建物」ではなく「家財」に該当するため、家財保険を契約していないと補償してもらうことができません。
まずは、ご自身の保険証券をしっかりと確認しましょう。

注意点2:動かす前や修理する前に写真を撮る

保険金を請求する際には、保険会社へ被害箇所の写真を送る必要があります。
そのため、修理する前やテレビを動かす前に損害部分の写真を撮影しておきましょう。
写真は、被害箇所に焦点をあてたものの他に、対象物(テレビ)の全体を写した写真が必要です。
様々な角度や位置から数枚撮影することをおすすめします。

撮影前に修理すると、破損部分が正確に把握できなくなり、査定が困難になってしまうため注意しましょう。

注意点3:見積りの際は『原状回復』を条件にする

保険金請求に伴い、テレビの修理見積書を提出する必要があります。
その際に注意するべき点は、修理業者に「原状回復」をする場合の見積りを依頼することです。

建物や家財の評価方法には、一般的に「新価」と「時価」の2種類があります。
・新価:同じものを再度購入するために必要な額を評価します。
・時価:消耗や経年劣化の減価額を差し引いて評価します。

基本的に、家財保険は「新価」で設定されています。
そのため、壊れたテレビと同じものをもう一度購入・修理するために必要な額で評価されます。

決して、グレードアップしたものへ買い替えたり修理するための見積書は認められません。

貴金属等への補償については、「時価」を基準とするため注意しましょう。

参考:損保ジャパン

テレビが故障した場合に火災保険を申請する方法

故障したテレビが火災保険で補償される場合、保険会社へ保険金の請求手続きを行う必要があります。

ここからは、保険金を請求するための方法、流れを説明します。

ステップ1:保険会社へ連絡

はじめに、契約中の保険会社や保険代理店へ事故の報告をしてください。

保険会社によっては、電話のほかにLINEやweb受付などの方法がありますので、ご自身のご都合に合わせて申請方法を選択しましょう。

保険金請求には3年の時効があるため、事故後はすみやかに保険会社へ連絡してください。

ステップ2:必要書類の提出

保険会社へ連絡すると、必要書類の提出を求められます。

基本的な提出書類は以下のとおりです。

・被害箇所の写真(損害箇所、テレビ全体など数枚撮影してください)
・修理見積書(修理業者に依頼して見積りを出してもらいましょう)
・保険金請求書(保険会社から届く書類です。届き次第、記入して保険会社へ返送しましょう)

事故報告後は、なるべく早めに必要書類を準備して提出してください。
書類が揃わなければ、保険金の支払いがスムーズに行われません。

ステップ3:鑑定人による調査

写真と修理見積書から、鑑定人が査定を行います。

写真と見積書では判断ができない部分があると、修理業者へ直接確認する場合もあります。

ステップ4:保険金の受け取り

査定完了後、支払保険金額が確定して契約者の了承を得られると、支払い手続きに進みます。

保険金の支払いは、請求手続完了から30日以内と保険法で定められています。
万が一、保険会社が支払いを遅延した場合は、遅延損害金が支払われます。

支払手続き完了の報告を受けたあとは、ご自身の口座に間違いなく入金されたかを忘れずに確認しましょう。

詳しい説明は、以下の記事を参考にしてください。

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まとめ

今回の記事では、日常生活にかかせないテレビが故障した場合に火災保険で補償されるかどうかについて解説しました。

故障の原因によっては補償されるケースがあるので、悩まれている方は一度保険会社へ相談してみてはいかがでしょうか。

請求時の注意点や請求方法を確認し、スムーズに保険金を受け取りましょう。

故障したテレビを前に不安を抱えている方の力になれたら幸いです。

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この記事を書いた人

保険代理店に10年以上勤務。ファイナンシャル・プランニング技能士の資格を取得し、保険のトータルコーディネートを行っています。現在は保険の仕事をしながら、ライターとして複数メディアで記事を執筆しています。得意分野は火災保険。現在も1日に1件以上の事故対応をしているため、知識・経験ともに自信があります。
現役の保険募集人として、みなさんにとってわかりやすく有益な情報をお届けします。

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