火災保険でリフォームできる事例とは?注意点やトラブル対策のまとめ

「火災保険でリフォームできるって本当?」

「ネットの情報では結局のところ、リフォームで使えるかどうかはっきり分からない」

そんな方に、本記事では火災保険でリフォームができる事例や、リフォームで火災保険を請求する際の注意点をまとめています。

さらに、リフォームによる火災保険請求は特にトラブルが多い内容でもありますので、実際にはどんなトラブルがあるのか、その対策と一緒にご紹介します。

リフォームを検討している方は、ぜひ今後の参考にご覧ください。

目次

そもそも住宅リフォームとは?

まずは、一般的なリフォームの定義と火災保険の概念について整理していきましょう。

リフォームの定義について

一般的なリフォームの定義は、「老朽化した家を新しくすること」です。しかし、建築基準法において、その定義は明確に定められていません。

Wikipediaによると、住宅リフォームの主な目的は以下のような内容が記載されています。

住宅リフォームの主なものとしては

  • 壁紙・床の張替え
  • 雨漏りなどの修繕
  • 外壁・屋根の塗り替え
  • 住宅設備(キッチン浴室などの水周り主体)の取り替え、補修
  • 今の住宅の床面積を増やす(増築)
  • 今の住宅の床面積を増やさずに中の間取りを変える(改築)
  • 省エネルギー性能の強化(エコガラス(省エネ複層ガラス)、サッシなど)
  • 耐震性の強化(補強工事など)
  • 手すりや階段昇降機の設置などのバリアフリー対応化
  • オール電化

などが挙げられる。

引用元:Wikipedia「リフォーム」

長年の使用により、壁紙の汚れ、剥がれ、フローリングの傷や損傷、屋根の損傷による雨漏りなど、リフォームが必要な場合にはさまざまな例が考えられます。

火災保険の概念はあくまでも「原状回復」であること

ここでリフォームの定義について確認したところで、火災保険の定義についても確認しておきましょう。

火災保険とは、保険契約者の財産である建物や家財に損害を受けた場合に、その費用を補う(補償する)保険です。つまり、火災保険とは損害部分を元通りするための保険であり、あくまでも「原状復帰」が目的であるといえます。

火災保険は損害に対しての修理補償であり、老朽化は対象外

リフォームの一般的な定義としては「老朽化した家を新しくすること」とありましたが、火災保険において「老朽化」は適用となりません。

そのため、定義通りのリフォームでは火災保険を使うことができないと言うことを知っておきましょう。

しかし、冒頭でもお伝えしたように火災保険の適用となるリフォーム事例もあります。どんなリフォームであれば火災保険を使うことができるのかを次章でお伝えします。

火災保険が使えるリフォームとは

自然災害・外的要因により補修が必要な場合のリフォームは、火災保険を使うことができます。詳しく見ていきましょう。

リフォーム代で請求できるのは損害箇所のみ

折角火災保険を使って、リフォームするならあれもこれも新しくしておきたい!と、損害箇所以外の劣化箇所のリフォームも一緒に行っておきたいと考える人もいるでしょう。

しかし、火災保険の概念は「あくまでも現状復帰」でした。損害を受けた箇所を現状に戻すリフォーム以外のリフォーム費用は火災保険が認められないことを覚えておきましょう。

材料をアップグレードした場合は全額支払われない

損害箇所以外の損傷は補償が使えないなら、損害箇所のみをこれまでの素材よりもアップグレードははして保険請求すると保険金はもらえるのか。

この場合、損害があった箇所なので、火災保険を請求することは可能です。ただし、「原状回復」が目的であるため、現状以上にアップグレードした費用は保険金が出ません。

火災保険を使ったリフォームのメリット・デメリット

リフォームをする際に火災保険を使うべきか否かを考える場合に大切なのは、どんなメリット・デメリットがあるのかを把握した上で判断することです。

メリット

  • リフォームで火災保険を請求しても保険料が上がることはない

自動車保険は、車の傷等による修理費用を請求すると、翌年の保険料が上がるので、結局高くつく。という話は有名です。

そのため、火災保険も同じように請求すればするほど保険料が高くなるのでは?と懸念している人もいらっしゃいますが、火災保険を利用してリフォームを行なっても、自動車保険のように翌年の保険料が変わることはありません。

火災保険は何度も使うことができますし、同じ年に何度か保険金をもらっても保険料は同じ。というメリットがあります。

中には審査の結果、リフォーム内容が火災保険の対象として認められず、保険金がもらえないこともあるかもしれませんが、保険申請の審査が落ちたからといってデメリットは全くありませんので、火災保険で認められる可能性がある場合は、積極的に申請することをおすすめします。

  • 保険金が出たらリフォーム費用の自己負担額を大幅に抑えることができる

ご加入の火災保険でリフォーム費用の全額もしくは、一部を保険金でまかなえた場合、リフォーム費用の自己負担額を大幅に抑えることができます。

ぜひリフォーム前に火災保険の内容をチェックしてみましょう

デメリット

  • リフォームを使った火災保険トラブルに巻き込まれる可能性がある

火災保険を使ったリフォームトラブル件数は大変多いため、リフォーム会社を通して火災保険を申請する場合には特に注意が必要です。

「火災保険を使って自己負担0円でリフォームしませんか?」などといった営業、または広告を掲げている会社は、

保険会社へ虚偽の申請で水増し請求する

リフォーム費用の自己負担額は0円の代わりに高額な手数料を請求してくる

リフォームの内容が雑

などといった悪質な業者である場合があります。

  • 手間がかかる、時期が読めない

火災保険を使ったリフォームを行う場合、自然災害など偶発的な要因であることが条件でした。そのため、いつどの部位がリフォームできるかといった時期や箇所をあらかじめ決めておくことができません。

さらに、火災保険を申請し、書類を集め、保険の審査が完了するまでに時間と手間がかかります。したがって、日頃から家を綺麗にするためのリフォームを行いたいと考えている人にとっては、不向きな内容です。

トラブルを防ぐための対策方法と注意点

インターネットの普及により、簡単にリフォーム業者を探せるようになった一方で、悪徳な業者が作るホームページとの判断がつかず、近年、業者による火災保険を利用したトラブルは、増加の傾向にあります。

ここでは、そんな悪徳業者による詐欺やトラブルを回避するための対策方法と注意点をご紹介します。

信頼できる業者(実績のある業者)に依頼する

トラブルを回避するためには、信頼できる業者へ依頼することが大切。しかし、信頼できる業者がどこか分からない。という方は、業者のホームページを見るようにしましょう。

  • 過大広告をしていない
  • お客様の声やレビューが確認できる
  • これまでの修理実績が多く保険金請求の実績もある

実績に関してホームページに記載がない場合は、電話で直接聞いてみると良いでしょう。その際、保険金を請求したことがあるかも一緒に聞いておくと安心です。

数社の業者へ見積もりをかける

悪徳業者はあらゆる手法を使って契約を促します。

そのため、いくら電話やホームページで時間をかけて確認しても、本当に信頼できる業者であるかを見極めることは難しいのも事実です。

そこで、ぜひ行なってほしいのが、数社相見積もりをかけることです。最低でも3社以上の相見積もりをかけると、リフォーム費用の正しい相場が分かるようになります。

  • 相場と比較して高すぎる
  • 相場と比較して安すぎる
  • 手数料が高すぎる
  • 金額が曖昧

こういった業者は選ばないようにします。リフォーム時のトラブルを回避するためには、正しい相場を知り、相場通りの業者を選びましょう。

すぐに契約しない

見積書をもらって、適正な価格だと判断しても、すぐに契約してはいけません。

そこに手数料が書かれていない可能性も考えられます。悪徳業者は手数料やキャンセル料など、リフォーム以外にかかる費用の詳細を説明せず、契約書の備考欄に小さく記載している場合があります。

トラブルを回避するためには、契約前にリフォーム費用以外にかかる手数料などしっかりと確認し、契約書をよく読むなどじっくりと時間をかけることが大切です。

火災保険を使ったリフォームに関するよくある質問

いざ、リフォームで火災保険を使うとなると、いくつか疑問が浮かんでくるものです。そこで、火災保険を使ったリフォームに関するよくある質問をまとめてみました。

Q. リフォームで補助金がでるって本当?

本当です。国や地域が出しているリフォーム補助金制度があります。毎年4月に更新されるものが多く、先着順となっていますので、あらかじめ準備をしておく必要があります。

詳細について知りたい方は、お住まいの地域のリフォーム補助金制度を確認してみましょう。

Q. 補助金を使ったら火災保険は使えない?

補助金をもらったとしても火災保険を使用することはできますし、減額されることはありません。

どちらも出たらプラスαでリフォームすることができるので、ぜひ利用したいところですね。

Q. リフォーム後に申請可能?

リフォームでも火災保険が出るとリフォーム後に知った場合でも、保険金を請求することは可能です。

ただし、リフォームが必要となった損害が発生した日から3年以内であることが条件となります。また、保険会社が損害箇所を判断するためにリフォーム前の写真を求められることがあります。写真がなければ保険が出ないという訳ではありませんが、写真があるとよりスムーズに保険を請求することができます。

まとめ

一般的な老朽化を新しくするためのリフォームは火災保険の対象外ですが、損害を受けた部分を補修するためのリフォームには、火災保険を使用することができます。

火災保険を使ったリフォームそれぞれのメリット・デメリットを比較した上で、リフォームに火災保険を使うか検討してみてください。

その上で、火災保険を利用する場合は、リフォームトラブルに巻き込まれないよう、この記事を参考にしていただき業者選びは慎重に行ってくださいね。

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この記事を書いた人

保険代理店に10年以上勤務。ファイナンシャル・プランニング技能士の資格を取得し、保険のトータルコーディネートを行っています。現在は保険の仕事をしながら、ライターとして複数メディアで記事を執筆しています。得意分野は火災保険。現在も1日に1件以上の事故対応をしているため、知識・経験ともに自信があります。
現役の保険募集人として、みなさんにとってわかりやすく有益な情報をお届けします。

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