火災保険の不払いが起きたらどうする?迅速に対応する方法とは

万が一のときにお金に関する不安を解消するために火災保険を契約する方がほとんどだと思います。
しかし、万が一のときに保険金が支払われなかったらどうしますか?
この記事では、火災保険の不払いについて事例を紹介しながら詳しく説明します。

目次

火災保険不払い問題とは

火災保険の不払いの問題点や実態について解説します。火災保険の不払いはどうして起きてしまうのか。
そもそも火災保険の不払いは本当に起きているのか。きちんと理解して、不払いに対する不安を解消していきましょう。

火災保険不払いとは

火災保険の不払いとは、お客様に支払うべき保険金を支払わないことをいいます。

お客様に保険金を受取る権利があるにも関わらず、保険会社が不当な理由で保険金の支払いを拒むことによって不払い問題は発生します

火災保険不払いの問題点

火災保険の不払いが起こることによって、大きな問題が発生します。
それは、保険会社への信頼の損失です。

偶然な事故が起こったときに「安心」するために加入する保険が、いざというときに支払われない場合、契約者はどのような感情を抱くでしょうか。

怒り、不安、疑問、そして不信感。
保険金の不払いが多発することで、契約者だけでなく社会全体から保険会社に対する不信感が湧き上がります。

火災保険不払いの実態

ここまで保険の不払いについて説明をしましたが、実際に不払い問題は発生しているのでしょうか。

実は、現在までに「火災保険」に関する不払いは報告されていません。

ただし、平成17年から平成20年にかけて生命保険会社による生命保険の不払い損害保険会社による第三分野(医療保険など)、自動車保険に関する不払いは問題になったことがあります。
上記の問題が起きた理由は、本来支払うべき保険金を告知義務違反で支払わなかったり、付帯されている特約に対する支払いが漏れていたことが原因でした。

経営陣の認識不足や指導不足、支払いを渋る風潮など、不払いにいたる経緯は様々ですが、不払い問題はあってはならないことです。

火災保険に関する不払い問題はないものの、他種目での不払い問題が多発していたことがわかりました。

参考:金融庁

火災保険が不払いになるケース

火災保険による不払い問題は、現在まで実際には発生していないことがわかりました。
しかし、世間では火災保険の不払い問題について声があがっています。

その声は、本来の保険金不払い問題に対するものではなく、免責事項に該当することによる不払いへの誤認識や不満がほとんどです。

ここからは、火災保険が不払いだと感じられている事例を紹介します。

業者に過失がある場合や業者のミスによる損害

業者に過失がある破損や業者のミスによる損害は、業者が賠償するべき事案です。

契約者に責任がないため、契約者が加入している火災保険で対応することは難しいとされています。

そのため保険金請求をしても支払われず、契約者にとっては保険会社による不払いと感じてしまう可能性があります。

居住に問題ないレベルの損害

破損・汚損などの不測かつ突発的な事故の補償を付帯している場合、子どもによる落書きやペットによる損壊に対して補償が効く場合があります。

しかし、突発的な事故であればなんでも補償されるわけではありません。

被害物の機能に支障をきたさない損害は対象外となります。
例えば、子どもが無垢材の床にコップを落としてかすり傷がついた事故や、壁紙に少し絵を描いてしまったなど、床の機能や壁の機能に支障をきたさない場合は免責となります。

しかし有無責の判断は保険会社によって異なるため、ご契約の保険会社に確認してください。

参考:損保ジャパン

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過去に請求した損害箇所に対する2度目の請求

過去に請求した損害箇所を修理せず、同じ箇所に対して2度目の請求をした場合も免責となります。

保険会社によっては保険金の使い道を「復旧」に限定される場合があります。保険金を受け取った損害箇所を修理せず、同じ内容の請求をすることは虚偽の報告にあたります。

この場合、保険金の「不払い」ではなく、契約者の故意による虚偽の請求となりますので注意してください。

また、請求期限には3年という時効があるため要注意です。

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免責金額以下の損害額

火災保険には「免責金額」とよばれる自己負担額の設定があります。

免責金額とは、保険金お支払い事由が発生した際に、損害額のうち契約者が自己負担する金額のことを指します。

免責金額(自己負担額)を設定することによって保険料を抑えることができるため、免責金額を設定する人も多くいます。

しかし、実際に事故が発生した場合、その修理金が免責金額を下回ってしまうと保険金を受取ることができません。

例えば、免責金額が5万円で設定している契約の場合について説明します。子供によって雨戸が傷ついてしまった被害で修理金額が3万円だったとします。修理金額3万円にたいして自己負担額5万円の方が高いため、支払える保険金がありません。

そのため、契約者によっては保険金不払いと感じてしまうことがあります。

参考:損保ジャパン

火災保険不払いに遭ったら

火災保険における不払いの実例はなく、多くは免責事由だということがわかりました。しかし、もし火災保険の不払い被害にあってしまった場合はどのように対応したらよいのでしょうか。ここからは、火災保険金の不払いに遭遇した場合の対応について説明します。

すぐにやるべきこと

火災保険の支払いに問題が生じた場合、まず最初にするべきことは冷静に状況を把握することです。急いで不満を表明するだけでなく、契約内容や条件を確認し、どのような対応が適切かを判断しましょう。

被害届の提出方法と注意点

保険金請求のためには、被害届を保険会社に提出する必要があります。
被害届の提出方法や必要な書類については、保険会社の指示に従うことが重要です。
また、提出期限や書類の不備を避けるためにも注意が必要です。

証拠を集める方法と注意点

保険金請求の際には、損害の証拠を収集することが重要です。写真や証言など、損害の状況を証明する要素を集めることで、保険会社に対して主張を裏付ける材料とすることができます。

火災保険不払いの相談方法

火災保険不払いの問題に直面した場合の相談先や相談方法について考えてみましょう。

火災保険不払いの相談窓口とは

火災保険不払いに関する疑問や問題を解決するためには、まず保険会社の担当窓口に連絡を取ることが重要です。専門の担当者が状況を説明し、適切な対応を提案してくれることがあります。

保険会社での話が進まずトラブルが解決しない場合は、そんぽADRセンターへ連絡する手段もあります。

そんぽADRセンターとは、日本損害保険協会のお客様専用窓口です。損害保険に詳しい専門の相談員の方が話を聞いてくれて、保険会社との和解案などを提示してくれます。困りごとがある場合は連絡してみるよいでしょう。

参考:日本損害保険協会

火災保険不払いの相談に必要な書類とは

相談の際には、保険契約書や損害証明書、通信記録など、関連する書類を用意することが大切です。これらの書類は、保険会社とのコミュニケーションにおいて重要な証拠となることがあります。

必要書類は、相談内容や相談先によって異なるため、相談する相手にしっかりと確認をしてください。

火災保険不払いの相談で注意すべきこと

相談の際には、冷静で客観的な姿勢を保つことが大切です。感情的になることなく、自身の主張や要望を適切に伝えることで、保険会社との円滑なコミュニケーションを図ることができます。

弁護士に相談するメリットとは

火災保険不払いの問題に対処するため、弁護士に相談する方法もあります。
弁護士に相談する場合はどのようなメリットがあるのでしょうか。

弁護士に相談するメリット

弁護士は法的専門知識を有しており、保険契約や保険法に関する詳細な知識を持っています。
保険会社の相談窓口では解決不可能な問題に関して、適切なアドバイスや対応策を提供し、保険会社との交渉をサポートしてくれることがあります。

弁護士に依頼する場合の流れ

弁護士に相談する場合、まずは問題の状況や契約内容を詳しく説明し、アドバイスや支援を依頼します。弁護士はそれに基づいて適切な戦略を立て、保険会社との交渉や必要な手続きを進めてくれます。

弁護士費用の支払い方法と注意点

弁護士に依頼する際には、費用の面も考慮する必要があります。

弁護士費用の支払い方法や料金体系について事前に確認し、納得のいく形で契約を進めることが大切です。

保険会社の対応について知ろう

火災保険不払いに関する問題で、保険会社の対応が不十分だと感じた場合、どのように対処すべきでしょうか。

保険会社の対応に不満がある場合の対処法

保険会社の対応に満足できない場合、まずは保険会社の対応窓口へ連絡をしましょう。

感情的にならず、丁寧な言葉で不満を伝えることが重要です。

それでも問題が解決しない場合は、保険監督官庁への相談や消費者センターへの連絡など、上手な対処法を検討しましょう。

参考:損保ジャパン

保険会社との交渉に必要なポイント

保険会社との交渉では、的確な情報提供と論理的な主張が求められます。
証拠の整理や法的な根拠の提示を行い、保険会社に対して納得のいく解決を促す努力をすることが大切です。

保険会社に関するクレーム・苦情の受付方法

保険会社へのクレームや苦情を提起する際には、正式な手続きや連絡先を確認しましょう。
クレームの内容や要望を明確に伝えることで、問題解決に向けた一歩を踏み出すことができます。

まとめ

火災保険不払いの問題は、被保険者にとって重大な影響を及ぼす可能性があります。
本記事では、火災保険不払いの問題点や対処方法、相談先、弁護士の利用メリット、保険会社の対応について詳しく解説しました。万が一不払いの問題に遭遇した際には、冷静な対応と適切な情報収集を行い、解決に向けた努力を惜しまないことが大切です。

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この記事を書いた人

保険代理店に10年以上勤務。ファイナンシャル・プランニング技能士の資格を取得し、保険のトータルコーディネートを行っています。現在は保険の仕事をしながら、ライターとして複数メディアで記事を執筆しています。得意分野は火災保険。現在も1日に1件以上の事故対応をしているため、知識・経験ともに自信があります。
現役の保険募集人として、みなさんにとってわかりやすく有益な情報をお届けします。

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